あらすじ
誰もが知っているシンデレラのストーリー。
でもその主役がシンデレラではなかったらどうだろう?
意地悪な継母と二人のお姉さん。
もし彼女たちに感情移入出来てしまったら、 まったく違うお話になるかもしれない。
シンデレラと王子が真実の愛に結ばれる裏で、弱くもしたたかに夢を描いた女たちの真実があったとしたなら。そのすべてが幸福を手に入れるわけではなく、でも確かに心に迫るリアルなドラマを残してくれていたとしたら。
彼女たちはシンデレラへの嫉妬に駆られ、周囲からの信頼を落としていきます。
彼女たちの本音と心情こそが、今、私たちの心を打つ。ここにもうひとつのシンデレラストーリーの幕を開けよう。それは容赦のない圧倒的な世界観とスペクタクルで繰り広げられるエンターテインメント。
魔童話公演とは
有名な童話をベースとした創作物である。そして、童話には付きものの「魔女」を主人公に当てたストーリーを「魔童話」シリーズとする。 魔女が登場する童話の時代背景を見つめると、不明瞭で暗黒時代的な歴史的背景を彷彿させる。「魔童話」は不安定な時代背景をリアリズムとして現出させ、重厚なストーリーを構築する。 また、「魔女」は東洋においては「妖女」と表され、多くの逸話にも登場する。敵役、または助言役を担い、主役を立てる。「魔童話」はそれら東洋西洋ないまぜの逸話たちを「魔女」の立場から描いている。この別視点からの創作は新たなリアリズム構築の可能性が高く、ファンタジーの要素をふんだんに盛り込んだ歴史スペクタクルであるとも例えられる。
魔童話公演 6つのトピック
①シンデレラ×大スペクタクル×人間ドラマ
童話シンデレラのストーリーに善と悪が入り混じった複雑な人間ドラマを織り込みます。繰り広げられる容赦のない展開の数々。一口には割り切ることのできない多面的な感情の束が、誰でも知っている有名な物語の結末を感動の渦に巻き込みます。
②映像×演劇×AI技術
劇団パラノワールが実践する映像を取り入れた舞台ジャンル「画劇」の要素を取り入れた新感覚の演劇スタイルを構築します。そこにある不思議の視覚化へ。AI技術や映像表現の進化は演劇の新しい表現方法を作り出すことでしょう。
③魔法使いが登場する物語=魔童話
魔法使いが登場する有名な童話・寓話・逸話の数々を大河ドラマのような重厚さ綿密さで再編纂します。例えるならリアルなファンタジー。劇団パラノワールはこれを魔童話シリーズと名付けました。劇団は魔童話初演として2024年に「オズの魔法使い」を上演し、大好評を博しました。
④実りある稽古期間
準備期間、出演者が多方面で活動できるように余白のある稽古スケジュールを組みました。多角的な感情を引き出すための真剣な場面に取り組みつつ、笑顔や談話を忘れないインクルーシブな環境をつくります。稽古から公演を通じてかけがえのない大切な仲間と出会えることでしょう。
⑤⑥舞台出演で収入を得る! 小劇場俳優にこそ響いてほしい。チケットバック率 脅威の80%!!
喜ばしい話とは言えないのですが、小中劇場を界隈とする小劇場演劇業界において舞台出演によって収入を満足に得ることは難しいです。多くの参加者はアルバイトと併用させて稽古に臨み、公演本番期間は副業を行う時間が限られるためある程度の月収の減少を我慢しなければなりません。出演による収入はそれを補えないことがほとんどです。
たとえばチケットバックシステムなどによる出演料の場合、マージンが多く削られてしまい出演者にとって微々たる金額にしかならない場合が多いです。また、ギャランティ制によって出演に特定の金額が提示されていても、それは十分な金額とは呼べるものではないことがほとんどです。さらにチケットバックシステムでは、俳優が百人を超えるファンを集めたとしても成果に見合う報酬は得られません。出演者に支払われるマージンのパーセンテージは低く、何枚販売しても利ざやが上がることは稀です。
さらに悪いケースでは、チケット販売ノルマを課せられノルマ枚数に達しなかった場合不足分チケット料金を支払わなければいけないというケースもございます。また、待遇の良いレギュレーションの場合でも、必ずしもそれは楽な道であるとは限りません。十分なギャランティが提示されている場合、公演中に俳優による集客が十分に見込まれなければ信用を失い、以後の仕事にありつけることは無くなります。
つまり小劇場俳優の隠れた決まり事は「どんな状況でもファンを集めなければならない」「集客を見込めなければ最悪不足分の信用を迫られる場合がある」というものです。多くの小劇場俳優がこのようなジレンマを「仕方がない」と割り切って活動することを余儀なくされています。
とはいえ劇団やプロデュース集団も、公演にかかる経費は火の車であることが多く俳優の呼び込みによるチケット収入は赤字の埋め合わせのための必須項目です。演者も開催者サイドもこうしてお互いに悪循環を強いられているのが現状です。
今回このような悪いサイクルを断ち切るべく、劇団がプロデュースを切り盛りできる範囲で出演俳優に月のアルバイト料を上回る収入を約束したいと思って以下の方針を取り入れました。
従来通りのチケットの売り上げに対しマージンを支払うシステム(チケットバック制)ではあるものの、一定の枚数以上のチケット販売を達成した場合バック率を80%とすることにしました。通例のチケットバック率は10%〜20%という現状からして思い切った対応ではないでしょうか。前述した一定の枚数以上というのは販売チケット枚数40枚から上、つまり41枚以上の売り上げのバック率が80%になるというシステムです。1枚からのパーセンテージとお伝えしたいところですが、それでは運営が難しくなってしまいます。41枚以上という数は舞台俳優にとって現実的でありつつ達成に努力を要する数字だと存じております。
しかしながら、41枚以上バック率80%というパーセンテージは好待遇のギャランティを上回る金額を提示します(60枚売り上げで約20万円の収入)。つまりは、多くの人々を魅了し個人のファンを増やすという小劇場俳優に求められた義務が、その果たした義務に見合った収入に繋がるということです。当たり前のことのようですが、小劇場俳優や運営は常にこのジレンマに踠いています。劇団としては興行収入が青天井となる可能性が完全になくなるわけですが(席数に限りがあり来場客が多くても一定数以上は興行収入が停滞するため)、出演俳優の努力がそのまま収入につながり演劇業界自体にやりがいを感じてもらえることが第一です。
この提案をご覧いただいて、特にメリットを感じない方もいるかもしれません。しかしながらもしこの提案にやる気を感じた俳優、または俳優を目指す方がいらっしゃいましたら是非ともこの機会をお見逃しなくこの公演に参加していただけると嬉しいです。