ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..人々(第5回)

第五回 テッド・バンディ

邑上の私見なんですけども、ヘンリーに関わる人をばんばん紹介していくコーナーです!さてさて第四回!
(ほんまに私見なので異論異説あるかとは思います)

 

Florida Photographic Collection

「Mr.American Psycho」セオドアロバートバンディ(1946.11.24 〜1989 処刑)

シリアルキラー(連続殺人鬼)って言葉はバンディを指す為に用いられたんですよ。

邑上的に、何故彼が特別な殺人鬼なのかっちゅーと…
人間として魅力的で、高い教育を受け、そして、「俺たちの世界」の住人だからだと思うんですね。

一般的に、皆が想像した彼以前の殺人鬼は、
ボストン絞殺魔アルバート・デサルヴォの様に9歳の頃親に農家に売られた辛い過去を持ってたり、エド・ゲインの様に辺鄙な農場と薄汚れた家に死体に囲まれ住む孤独な男だったり、頭の中に響く声に動かされ殺人を犯す狂人ハーバードマリンみたいな……
なんと言うかアングラで闇の深い、我々とは無関係な異常な世界の住人だったんですね。
まあ、理解外の異次元のモンスターみたいなね、括り。

ところがバンディは、無害で、俺たちと同じ価値観を持つと信じる親愛なる隣人でありながら…
死体を愛し、女性を己の欲望を満たすものとしか見えていない人面獣心のケダモノだと言うのが、「特別」なんです。

バンディはその幼少期は、学生時代も人気者でもなければ負け犬でもない。
典型的な学生で、言ったら我々の大半と同じ感じ。片親ではあるけども。

ただ一つ、彼が14歳のとき、近隣住民の8歳の女の子が失踪した事以外は…。

バンディは、おじいちゃんを大分慕っていたらしい。
だがこのおじいちゃん…聖職者である傍ら妻を殴り、大量のハードなポルノを所持しているハードじいちゃんだった(苦笑)

バンディの幼少期、彼本人も語らない、バンディ最大の謎と言われる空白の4年間があって、この頃に彼の精神に大きな影響を与えた何かがあったんじゃないかって考察があるのだけど、僕は、何もないから別に話してないんだと感じる。
「殺人鬼は幼き日に傷付けられ、奪われたものが大人になって、復讐者になる」
っていうのは、普通の人間が彼らを理解出来ないから理解出来る理由が欲しいから生まれる考えというか願いなんじゃないかな?

理由がなくてもサイコは発生するよ。
それがアメリカン・サイコ「テッド・バンディ」なんじゃなかろうか。

そして、1966年。
運命の人ステファニーと出会う。
彼女は長身で美しく、長い黒髪を真ん中から分けていた。
バンディの猛烈なアプローチで付き合う事になる。

だが!1967年の春、彼女はバンディに飽き、フラれる。
そしてこの頃にバンディは覗き行為に耽溺する。彼女とのデートをすっぽかしてもしてた(笑)更にはこの春に、大学を落第する。仕事も出世の見込みのない底辺仕事をする事に。

この時点であらゆるストレス要因が重なり……
暴力的な性への衝動は彼に殺人街道を走らせるには十分だった…

の、だが!!
バンディはギリギリで踏みとどまった!!!
バンディは絶望に向き合い、傷を癒し、人生を歩み、夢を追う事にベストを尽くせる人間だった。
これが他のシリアルキラーにはない、彼の魅力。逆境から立ち直り、歩き続けるという事。
このバイタリティ、あたしも欲しい…(笑)

1968年、選挙スタッフになるが、選挙に落選し職を失う。
しかし、すぐまた職を確保。
デパートの販売員となりたちまち有能な店員と評判になる。特に女性客に。
その間もフラれた元カノ、ステファニーに手紙を送ったり電話をかけたりしている。

金が貯まると、デパートの仕事を辞め、フィラデルフィアでテンプル大学に入学し、演劇学を学ぶ。
この際に学んだ、演技と舞台メイクが後、彼の生涯に役立つ技術となる。
芝居上手かったんだろうなあ…。

そして…

1971年9月。心理学研究最後の学年が始まる。
自殺救済電話相談のカウンセラーの職を得る。同僚の女性は当時のバンディをこう証言した。

「電話では話に覆い被さる様に背中を丸め、相手を励まし、親身になり、思いやりを示し、決して相手を適当にあしらったり、平静さを欠いたことはなく、誰もが他の人には言えない事を彼には話した。彼は沢山の人を殺害しました、ですが、沢山の人を救ったのも事実なのです。」

あ、この同僚とは後のバンディの殺人裁判中結婚します。

これ、余談なんだけど、ザック・エフロンが演じた「テッド・バンディ」で登場する彼女は実際の人物と瓜二つで演じた役者さん素晴らしかった!

1973年5月。共和党中央委員会のコンサルタントとして雇われ、そしてユタ大学法科大学院への入学を許可される。
この時期に後の犯行でも使われる車(当時では金持ちの街乗り用のクルマらしい)を買う。
バンディはこの夏、カリフォルニアに共和党大会の為に派遣される。
そこには、かつての恋人ステファニーがいた。
バンディは彼女を訪ねる。
「持ってる男」のオーラむんむんのバンディ様に、ステファニーは会った途端メロメロ!!

フラれてからの6年間のバンディの行動はこの為にあった!!!
そしてえ!フラれた恋人を自分に惚れさせる、と言う空想を、猛烈な異常な迄の執念で達成したのだ!!!!

凄い!そこに痺れる憧れる!!!

だが、そこでバンディは気付く…

俺が欲しかったのはこれじゃない
法律家になって黒髪の美人の心を勝ち取る?
いやいやいや違うわ
こんなものは無意味だ偽物だ
俺が求めていたのは
女の肉体だ
愛だの関係だのは俺には要らない
物言わぬ、ただの肉が欲しいんだ

そして、ステファニーをフる!
そこから彼女とよく似た、黒髪を真ん中で分けた、長身で美人の女性を殺し始める。
殺人鬼であり親愛なる隣人「テッド・バンディ」となる。

最終的には(分かっているだけで)36名の被害者を出した。全米で好き放題殺したし、彼は欲望を我慢出来ないからもっといるでしょう。スマートな表向きとは違い本性は極めて残忍で人間性が欠如していて、亡骸を何度も犯す程のネクロフィリア☠️❤️

 

 

またバンディは演劇学校のスキルを活かし、百面相の様に容姿を変え、ターゲットに合わせた演技をし、女性を巧みに拉致し、殺し、奪い、愉しんだ。

※実はこの時期に付き合っている女性もいたんやで…映画「テッド・バンディ」はこの彼女の目線でも描かれる。

 

 

 

また彼は逮捕されても何度も脱走した。これはバンディすげえっちゅーより周りがマヌケだった。

 

そんなバンディだが、犯罪後期には他のシリアルキラー同様に犯行の劣化が進む。

邑上の私見だけど、多分疲れたんだろうね。
しかし、人殺しがやめられない。

女子寮に深夜潜り込み、棍棒で殺し回ると言う錯乱したかの様な犯行に及ぶ。もう、黒髪真ん中分けじゃなかろうがお構いなし。深層心理では誰かに止めて欲しかったんじゃないかなあ。止めたくないとの二律背反した心。

最後の被害者は12歳の少女でした。

逮捕された彼は裁判で一貫して無罪を主張。無期懲役を狙う弁護士と真っ向から裁判方針の違いでぶつかり、バンディは弁護士をクビにしてしまう。二回も!

そして自分で自分を弁護する。ロースクールで培った能力、鮮かな弁舌、演劇学校で学んだ演技を用いて。
だが、これがバンディの運命を電気椅子へと向かわせる。

判決は死刑。

バンディはこう語った
「俺は彼女らを苦しめたり傷つけるのが楽しかったのではない
真に俺を魅力したのは…
獲物を狩り、捕らえ、物理的に所有する事だ
鉢植えや、絵や、ポルノを所有するのと同じさ」

そう言った彼は処刑直前に震えていた。
刑務所の周りは彼の死刑を望み狂乱する者達が叫んでいた。
「バンディ地獄に落ちろ!」「燃えろ!バンディ!」と。

死の恐怖と他人の悪意に彼は震え、呟いた「俺よりもやつらの方が異常だよ」。

 

「君程の才能があれば有能な弁護士にもなれたろうに。残念だ。」
死刑判決の際裁判長にそう言われた男、テッド・バンディは電気椅子で焼かれて死んだ。

今回の舞台に彼が登場します。お楽しみに。
邑上が小学生時代の自由研究で研究して怒られた人物を今こうして語れるのは不思議ですね笑

因みに、テッド・バンディも映画「羊たちの沈黙」ハンニバル・レクターのモデルの一人です。
彼が牢獄からとある連続殺人事件に捜査協力していたのが起因しています。
グリーンリバーキラーと呼ばれたこの事件の犯人は70人以上を殺害したとされる事件…
だが、それはまた、別のお話……

(文:邑上笙太朗)


邑上笙太朗(むらかみしょうたろう)

2、3年前まで舞台経験はなく、ナレーションやら声の芝居やら何やらしてました。2016年末に集団as if〜に入団。その後、Voyantroupe、虚飾集団廻天百眼、集団NO PLANなど、舞台や朗読での客演多数。2018年に同劇団解散。以後野良で活動中。家なき子です。
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邑上笙太朗 声ブログ…ならぬ、殺人鬼チャンネル。

映画「テッド・バンディ」を観まして

テッド・バンディが捜査協力/グリーン川の殺人鬼「ゲイリー・リッジウェイ」

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..人々(第四回)

第四回 ジム・ジョーンズ

邑上の私見なんですけども、ヘンリーに関わる人をばんばん紹介していくコーナーです!さてさて第四回!
(ほんまに私見なので異論異説あるかとは思います)

 


「人民寺院」ジム・ジョーンズ

世界に差別のない理想郷を…

後に、悪魔がこの世に居るならば、こいつが悪魔そのものだと揶揄される事となる男、ジム・ジョーンズ。
だが、当初の彼は黒人白人等という人種に囚われず、人々を救おうとしていた。
人種だけではない、アルコール中毒者、薬物中毒者へも手を差し伸べた。

慈愛溢れ、善行により人々を救う聖職者だった。

後に何とマーティンルーサーキングジュニア人道賞まで受賞している。

ところが!薬物中毒者を救いながらジム自身も薬物中毒者となる。

また信者の心を掴む術として、心霊治療と称して、信者の口に手を入れガンを取り出す、患部に触れ傷を癒す等もしていたが、勿論それはイカサマ!

更には何といってもありあまる異常な性欲がヤバイ!!信者同士の性行為を禁じ、夫婦を引き裂き自らのハーレムを作りあげる。
なんと男も女もいけちゃうと言う…。

更には信者から「神」「救世主」と呼ばれ崇め奉られた事により狂っていく。

…マンソンやら麻原もだが…人間が神だなんだと崇められる様になると狂気が宿ってしまうんだろうなあ…とあたしは思う。

そして、慈愛溢れる聖職者は悪魔へと変貌した。

1978年。寺院を脱走した信者が、ジョーンズタウンに虐待行為、人権蹂躙が横行していると訴えた事により、メディアが動き、政府が動いた。

アメリカ合衆国下院議員のレオ・ライアンを代表とする代表団がジョーンズタウンに訪れる。表向きは笑顔溢れ、誰もが幸せそうに見えた。

 

だが、ライアン議員ら視察団が飛行場へと向かうと、ジョーンズの私兵による銃撃で皆殺しにされてしまう。ライアン議員に寺院の実情を訴え脱出を請う信者が複数出た為に差し向けられたものだった。

 

そして…寺院の崩壊を感じたジョーンズは信者918人(子供約300人)を毒による集団自殺へと導き、自らは拳銃自殺を遂げた。

我々は笑って死ぬのだ!
やつらに見せてやるのです!
我々は笑いながら神の元に行くのです!
さあ皆さんご一緒に!さあ皆さんご一緒に!
さあ皆さんご一緒に!さあ皆さんご一緒に!

 

信者達は口々に笑いながら、「ジム・ジョーンズ!!!」と叫びジュースに混ぜたシアン化合物を呷り、地獄の苦しみと共に死んでいった。
泣き叫ぶ子供には親がその手で口に死を流し込み、逃げるものは銃殺された。

この様子をジョーンズは、我らは喜んで死んだのだ!と言う証拠にする為、ビデオカメラに全て収めていた。狂気だよね…。
僕はこれ、実際の映像で見ましたが、悪魔って人間の事なんだなあって……。

差別のないジョーンズの理想郷は、誰も彼もに一切の差別なく死を与える地獄と変わり果てた。

今回の公演で彼を扱うと知ったとき、僕は誤解を恐れず言うと「興奮」しました。
なんでかって、前からVoyantroupeさんでジム・ジョーンズやって欲しかったんですよ!
その証拠に音声アプリhimarayaで喋ってますから!(笑)

そんなこんなで今回は人民寺院ジム・ジョーンズでした。
是非、公演お楽しみに…!

(文:邑上笙太朗)


邑上笙太朗(むらかみしょうたろう)

2、3年前まで舞台経験はなく、ナレーションやら声の芝居やら何やらしてました。2016年末に集団as if〜に入団。その後、Voyantroupe、虚飾集団廻天百眼、集団NO PLANなど、舞台や朗読での客演多数。2018年に同劇団解散。以後野良で活動中。家なき子です。
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カルト集団、チャールズ・マンソン、ジム・ジョーンズ、デイビット・コレシュのお話

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..人々(第三回)

第三回 アイリーン・ウォーノス

邑上の私見なんですけども、ヘンリーに関わる人をばんばん紹介していくコーナーです!第三回いきましょう!
(ほんまに私見なので異論異説あるかとは思います)

 

アイリーン・ウォーノス「モンスター」

アイリーン・ウォーノス
1956年2月29日生まれ
2002年10月9日処刑

アイリーンに関しては、個人的にはどうしても感情移入してしまう部分が多くて、7人を殺害した事は許されないものだが、僕は涙してしまう。

彼女の幼少期は壮絶だった。母親は14歳、父親は16歳。
母は祖父母にアイリーンを預け失踪し、父親は7歳の女の子を強姦した罪で逮捕され、刑務所内で自殺。
そして祖父には服を脱がされ殴られ、性的に虐待され、更には兄とも性的関係を持ってしまう…。
祖父の友人にも強姦され、妊娠。
この子供は養子に出された。
誰も彼もが彼女から凡ゆるものを奪っていった。
そんな中、比較的まともではあった祖母が死亡し、アイリーンは家出し学校も中退する。
売春しながら路上生活をしていた。
更には祖父、兄が立て続けに死亡。

アイリーンは天涯孤独となった。
愛も知らず、孤独という病が彼女を蝕んでいた…。

その後数人の男性と結婚する事が出来たのだが、アイリーンの粗野で短気、衝動的な性格が原因で離婚。

再び孤独となってしまう。

孤独と犯罪に塗れた生活を送る中、
1986年、運命の相手、ティリア・ムーアと出会う。
今までの結婚相手や付き合ってきた男達とは違い、アイリーンは初めて「愛」を彼女に感じ、知ってしまう。

この出会いがなければアイリーンは殺人鬼にならなかったんじゃないかと個人的には思う。だが、アイリーンにはきっと救いだった。

アイリーンは当時ティリアが働いていた清掃員の職を彼女に苦労させたくない、一緒に居たいと言う理由から辞めさせ、今まで以上に娼婦の仕事を必死に取り組む様になる。

しかし、このとき30歳になっていたアイリーンは、酒とドラッグとその不安定な生活の為50歳くらいに見える程に老け込んでしまいお客がつかず、焦っていた。

そん時、アイリーンの最初の被害者となる男性が襲ってきた為に、アイリーンは衝動的に自己防衛で射殺してしまう。
このときに、彼女は思ってしまった…

「なんで私がいつも奪われる側なのよ…これからは私が奴等から奪ってやる。」

このときに「モンスター」アイリーン・ウォーノスが生まれて、その後6人の男性を金目当て、そして「恋人のため」に射殺していく。

時には被害者の車でティリアと酒をがぶ飲みしながら遊ぶ事もあり、まあ普通に事故って逃げる。
指紋とかもがっつりつけて…。

そして、アイリーンとティリアは共に逮捕されてしまう。
二人とも殺人罪で有罪になれば死刑は免れない。
そこでティリアはアイリーンが全部自分がやったんだ、ティリアは何もしちゃいないと言う証言を得るため、アイリーンに電話をかける。
警察も主導の元…彼女を嵌める事にしたのだ。

だけど、アイリーンは全てを分かった上で、ティリアが助かる様に証言する。

だって愛しているから
あんたしかあたしにはいないからさ
あんたが幸せになるならいいんだよ

裁判でティリアがアイリーンに不利な証言をしても、アイリーンは何一つ責めず、愛おしそうにティリアの顔を眺めていた。

裁判では皆が望む様な「モンスター」さながらの振る舞いであった。
死刑判決が下ったときもこう言ったという…
「死刑を受け入れるよ。だってあたしは天国行き。あんたらは地獄に落ちるんだからね!」と鼻で笑った。

そして、2002年10月9日。
薬物注射によるアイリーンの処刑は執行された。

aileen wuornos quote famous serial killers serial killers – Comicspipeline.com

「あたしはこれから航海に出るけどさ、インデペンデンスデイっていう映画みたいにイエス様と一緒に帰ってくるわ。6月6日にね。戻ってくる。戻ってくるわ。」

処刑場に向かう彼女は満面の笑みでこう、最期の言葉を残した。

もし、彼女の幼少期にちょっとでも守ってくれて愛情に包まれた瞬間があり、孤独でなければ、社会の網が彼女を拾い上げ安定した職に就けていれば「モンスター」は生まれなかったのかもしれない。

 

 

そして孤独の病に蝕まれ、地獄の世界で一本の愛と言う糸を見つけなければ、それの為に殺人を犯す事はなかったのかもしれない。

そうはならずアイリーンは「モンスター」として処刑された。

2003年
アイリーンの人生はハリウッドで映画化された。

 

 

 

 

 

主演のシャーリーズ・セロンの素晴らしい演技がアイリーンの複雑で不安定な性格を見事に表現しているので必見です。

タイトルは「モンスター」です。是非ぜひ。

今回の舞台でこのアイリーンがどの様になるのか…
邑上もめちゃくちゃに楽しみにしてます。

(文:邑上笙太朗)


邑上笙太朗(むらかみしょうたろう)

2、3年前まで舞台経験はなく、ナレーションやら声の芝居やら何やらしてました。2016年末に集団as if〜に入団。その後、Voyantroupe、虚飾集団廻天百眼、集団NO PLANなど、舞台や朗読での客演多数。2018年に同劇団解散。以後野良で活動中。家なき子です。
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アイリーン・ウォーノス 「モンスター」と呼ばれた女

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..人々(第二回)

第二回 チャールズ・ミルズ・マンソン/マンソンファミリー

邑上の私見なんですけども、ヘンリーに関わる人をばんばん紹介していくコーナーです!第二回!
(ほんまに私見なので異論異説あるかとは思います)

チャールズ・ミルズ・マンソンと、マンソンファミリー

チャールズ・ミルズ・マンソンは、偶々その当時の若者達の風潮に噛み合ってしまった人間だと思うんですよ。
今でこそ、60年代の恐怖の象徴だけど、別の時代だったらただの小柄なケチで一部ではちょっとウケる様なチンピラで終わったんじゃないかな?

チャールズは、生まれたときからいない存在、要らない存在として扱われていて…初っ端から育児放棄され、何と、生まれてから5ヶ月名前も付けられなかったんですよ…。
母親がガソリンスタンドを襲撃して逮捕されてからは祖父母の元に預けられるが、何でか女装させられたりして、その格好で登校させられるもんだから学校でも虐められ、その後親戚をたらい回しの後に、孤児院へ。
その孤児院を脱走してチャールズは母親に会いに行くんですが…完全に拒絶される…辛過ぎ。

彼は社会に居ない存在として扱われた。
その後反社会的な行動を取り1967年に出所するまで青春期の大半を刑務所で過ごしました。
この時には所謂人心掌握術みたいなもんを生存戦略として学んだんじゃないかと。

そして、彼が出所した1967年はベトナム反戦運動、ヒッピー文化、体制に反発するカウンターカルチャーが若者を中心に盛り上がってました。
チャールズはその生来の社会に反発する思考に加え、世の中の流行に敏感でした。
公園でギターを片手に自由と愛と社会への反発を歌うわ、語るわ。

さらに『救世主』じみたビジュアルが当時の若者にウケた。

そこから、一年足らずでファミリーを作り上げちゃう。
他のカルトと同じく終末論を唱え、廃棄された元映画セットが建てられた牧場に、ファミリー達は住む様になる。
外の世界と隔絶して、LSDSEXで完全に洗脳して、彼の言う事をなんでも信じる様にさせたんですね…
信者の中にはチャールズの言いなりに殺人でも何でもやっちゃう、『テックス・ワトソン』『スーザン・アトキンス』とかががいてですね。

ビートルズのヘルタースケルターって曲を「黒人と白人の人種間戦争が起こる事を示唆している」だの、「金持ち達を豚どもと呼び襲撃リストを作る」だの。まーひどい。

マンソンは実はミュージシャンとして成功したくてビーチボーイズ等とも交流があり、レコードデビューを目指していたんだけど挫折
そこから病みまくって殺戮に走るんですよね…

そして、1969年8月にハリウッドに深い闇を落とす、『シャロン・テート/ラビアンカ夫妻殺害事件』が起きてちゃう。

ファミリーはシャロンを殺しに行ったんじゃなくて、ほんとは以前そこに住んでいた、マンソンが自分のレコードデビューを阻害したと思い込んでいた音楽プロデューサーが標的だったらしい。
にも関わらずスーザンら、ファミリーの殺戮部隊は容赦なく惨殺
「子供がいるの、助けて」というシャロンを無慈悲に笑いながら16回もナイフで刺した。
そして彼女の血で壁に「豚に死を」と書く始末。
当初はこの犯行に関してファミリーの関与は疑われて居なかったのだけど、別の事件で逮捕されたスーザンが「あたしがあの女優を殺したんだ!すげえだろ!」的なことを言うて発覚したとか。
そんで一味はお縄に。マヌケなのよな。

ファミリーが行った殺戮で被害者は九人にのぼった。
マンソン自身は三十五人殺した!等とも言っているがまあ嘘だろなあ。
マンソン自身は人を殺した事がなく、耳を削ぎ落とした事くらい。

マンソン、テックス、スーザン等は死刑の判決が下る。
が、州の法律が変わり終身刑となる。

この事件で、愛と平和・自然派を謳ったヒッピー文化、更にはハリウッドに暗い影を落とし、ファミリーはアメリカのカルチャーに於ける恐怖の象徴となったんですね。
マリリン・マンソンのマンソンはチャールズマンソンのマンソン(笑)

余談なんですけど、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はマンソンファミリーの所為で失われたあの時代のよきハリウッド、そしてシャロンテートへのタランティーノ監督の愛が詰まっていて最高です。

さて、今回の舞台では勿論、マンソン、そしてテックススーザンなどのファミリーも登場するでしょう。
彼らがヘンリーリールーカス等と関わりどうなるか…お楽しみに!
あたしも楽しみ!

(文:邑上笙太朗)


邑上笙太朗(むらかみしょうたろう)

2、3年前まで舞台経験はなく、ナレーションやら声の芝居やら何やらしてました。2016年末に集団as if〜に入団。その後、Voyantroupe、虚飾集団廻天百眼、集団NO PLANなど、舞台や朗読での客演多数。2018年に同劇団解散。以後野良で活動中。家なき子です。
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「チャールズ・ミルズ・マンソン」について

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..人々(第一回)

第一回 ヴィオラ/オーティス/ベッキー12歳

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ヘンリー・リー・ルーカスと言う殺人者。

ヘンリーの生い立ちは他のシリアルキラー達と同じく悲しいのだけど、大分群を抜いてて、

売春婦であり母親のヴィオラがヤバイ。
いわゆる変態行為どんとこい!っちゅー人で、幼いヘンリーに女装させ淫らで加虐的、被虐的な自らの「仕事」っぷりを見せていた。
ヘンリーの頭の皮が剥がれて骨見えるんじゃないかってくらい殴ったり、ラバをプレゼントして愛着を抱かせた上で、ヘンリー少年の目の前で射殺すっつー鬼畜…

因みに父親は、両足を線路で轢かれて切断されてしまっていて、ヴィオラに養われてる身であり、その両足を踏まれて悦ぶ変態でした

ヘンリー可哀想。

でも実はヘンリーが救われるチャンスがあったんですわ…アニー、ローリーっていう女教師、トラックの運転手が愛の手を差し伸べたんだけど、結局ヴィオラに潰される。

大人になったヘンリーに婚約者が出来たときも、またもヴィオラに潰される。
そのときに、「ヘンリー!お前は一生あたしの奴隷なんだよー!!」等と罵らる。
まあ、それで目の前が真っ暗になったヘンリー。
気付いたらナイフが母親の肉体に刺さっていた。
ヘンリー的には、「頼む!黙ってくれ!母さん!」と言う気持ちで口を塞いだつもりが無意識に殺してしまったみたいで、逮捕されたときも「え!?母さん死んでしまったんですか!?」って言うてたらしい。

それで捕まったんだけど、何でか割と早く釈放されて、もうその足で女性を殺害。

 

そんでもって、ヘンリーの殺人行脚が始まるんだけど、そこで相棒となる、オーティス・ツール(トゥールとも読む)と出会う。
これが、彼らには運命的。彼ら以外には地獄を生む事になるんですわ…。
二人ともどれだけ残虐に殺ったかみたいな殺人競争みたいな事して切磋琢磨してました(笑)
このオーティスってのが邑上的には、ヘンリーよりイカれ具合は高えなって思うんですわ。
先ず幼少期で言えばね、
ヘンリーは女装「させられてた」。
オーティスは女装「してた」。
って違いがある。
おばあちゃんが悪魔崇拝者で小さい頃から墓荒らしとかもしてたらしい。
あと死んだ動物の死体を持ち帰ってBBQソースで食ったり。子供やで?これ、やばいでしょ(笑)
そしてオーティスはバイセクシャルであり、殺した相手の人肉を食べる勿論BBQソースで。
快楽殺人にありがちな「記念品」も頂いていた。舌を切り取ってよく遊んでたらしいよ。

そして、このオーティスは「死の腕」っていう殺人組織に居たらしく、ヘンリーも入会する。
これなー…本当にあったのかなあ。
ヘンリーのインタビューしたマックス・コールはあったんだと思うって言うてるけども。

まあまあ、ややあって、ヘンリーはオーティスの姪、ベッキー(12歳!)と出会い、お互いに惹かれ合う様になります。

ベッキーはヘンリーのことを「パパ」って呼んでたみたい…
ベッキーは二人の犯罪行為を喜んで手伝っていた。

そして三人で全米縦断殺人旅行!!と、相成ります。

この後、ヘンリー、オーティス、ベッキーがどんな運命になるかは舞台をご覧あれ…。
まあ、調べたら分かるんですが!(笑)

(文:邑上笙太朗)


邑上笙太朗(むらかみしょうたろう)

2、3年前まで舞台経験はなく、ナレーションやら声の芝居やら何やらしてました。2016年末に集団as if〜に入団。その後、Voyantroupe、虚飾集団廻天百眼、集団NO PLANなど、舞台や朗読での客演多数。2018年に同劇団解散。以後野良で活動中。家なき子です。
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ヘンリー・リー・ルーカス編